ステンドグラス

“stainedglass"の語源は「着色したガラスの小片をつなぎ合わせて絵や模様を表現したもの」といわれ、その歴史は古く、5世紀前後に建てられた寺院にステンドグラスの跡が残っているとされています。ステンドグラス=教会とイメージされる方も多いと思いますが、 現代では新しい建物に合うようにデザインも多様化され、公共施設や店舗、一般住宅にもインテリア装飾品として広く扱われています。


どうやってつくるの?

ステンドグラスの技法は大きく2つあります。

まずはケイム技法。図面通りにカットしたガラスをH型の鉛桟(ケイム)に挟みながら組んでいき、ケイムの接点をハンダ付けします。その後、鉛桟とガラスの間にパテを詰め仕上げます。ケイム技法で制作されたステンドグラスは強度もあり、建築用パネルとして幅広く使用されます。

次にコパー技法ですが、こちらは19世紀末にアメリカのルイス・C・ティファニーが考案した技法で、ガラスピースの断面に薄い銅のテープを巻き付け、これをハンダ付けして組み上げる技法です。装飾が複雑なものや立体的な造形も可能で、小さなパネルやランプ、ミラーなどの装飾品の制作に向いています。大きなパネルは補強を入れることや取付けの際に合わせガラスにすることで強度を保つこともできます。簡単にまとめましたが、どちらの技法もひとつひとつ地道な手作業でステンドグラスは出来ていきます。


どこにつかうの?

ステンドグラスは光を通すことで見え方が変わります。陽の光や照明の灯りがステンドグラスをよりきれいに見せてくれますので、パネルの場合は窓やドア、壁に埋め込む(部屋と部屋の間)などが理想的です。他にも欄間や間仕切りなどもおすすめです。また、窓辺に飾ったり、DIYでご自分のアレンジ次第でお手軽にステンドグラスを楽しむこともできます。ケイム技法でのパネルはパテを施していますので防水効果はありますが、ステンドグラス製品は常に水の掛かるところでのご使用はおすすめいたしません。ランプシェードはそのもの自体の装飾だけでなく、壁や天井に映るガラスの色や模様を楽しんでいただけます。


取り付けは?

当店はステンドグラスの制作販売のみで、取り付け施行は行っておりません。

パネルの取り付け施行に関しましては、建築業者様、施工業者様、工務店様にご相談ください。基本的には一般のガラスと同じようにお取り扱いいただけますので、新築・リフォームをお考えの方は、事前に「ステンドグラスを使いたい」と業者の方にお話されておくと、設置場所やサイズなど具体的に決めやすくなります。取り付け場所としては、間仕切り壁への埋め込み、ドア建具、欄間、サッシ窓などがおすすめです。ランプやミラーは何方でも簡単にお取り付けできますが、ブラケットランプなどお取り付けに専用工事が必要な場合もございます。


お手入れは?

普通の窓と同じようにお掃除できますが、鉛桟は傷がつきやすいので、研磨剤や研磨ブラシのご使用はお控えください。また鉛桟は湿気を嫌います。濡れたまま放置すると白くなる場合がありますので、お掃除の後は乾拭きしてください。

*洗面台にミラーをご検討の際*
半田部分は研磨や水分にあまり強くなく、ゴシゴシと磨くことはおすすめできませんので、水回りでのご使用の場合お手入れに気を使われることもあるかと思います。これまで洗面用としてご使用いただいているお客様、通常使いのお客様からも不具合の報告はいただいておりませんが、ご理解の上ご検討くださいませ。


ステンドグラスが割れたら?

修理は可能です。
ステンドグラスは普通のガラスと同様に、強い衝撃が加わるとガラスが割れます。鉛桟で組まれているので全てが粉々になることはありませんので、修理は破損箇所のみ同じ種類のガラスに交換いたします。ただし、ガラスの廃盤などで同じガラスがない場合は、似たようなガラスでの修理となります。


ステンドグラスに関してご不明な点やご相談などございましたら、お気軽にお尋ねくださいませ。